野球グラブ(グローブ)の型付け

グリスの補充について

 

 

グラブを長い期間使っていると、柔らかくなり過ぎて型が崩れてきたり、なんだかフィット感が悪くなったと感じることがあります。もし、グラブをこのように感じたら、オーバーホールが必要です。

 

オーバーホールで特に効果的なのは、表革と裏革の間に入れられているグリスを補充することです。グリスはグラブを製作する工程の中で、注入されていますので、最初の段階では二枚の革(表革と裏革)は安定してくっついています。しかし、グラブを使っているうち、グリスはだんだんと失われてしまいます。グリスの主成分は牛脂であるので、温まると溶け出します。グラブの表面に染み出したり、グラブの内部で端のほうに集まったりしていることもあります。

 

新しいグラブでもその捕球面が黒ずんでいることがありますが、それはグリスが染み出しているためです。さて、グリスが失われると、表革と裏革との間に隙間ができるために捕球面が盛り上がってしまいます。そうなるとフィット感が悪く感じる様になります。

 

そこで、捕球面を元に戻してフィット感を蘇えらせるため、再度グリスを注入します。これでグラブは以前の状態に戻るはずです。さらに捕球面を強化するには、「あぶり出し」と呼ばれる方法もあります。この方法は冷えると固まるグリスの性質を利用したもので、補充したグリスをわざとグラブの表面に染み出させて、しっかりとした捕球面を作る方法です。