湯もみ型付け
プロ野球選手の間でも、湯もみ型付けされたグラブを使う選手は増えており、最近では一般のプレーヤーにも、とても需要があります。ここでは、その代表的な手順を紹介したいと思います。
まずは土手部分の紐を解きます。解いた土手部分の紐を、今度は逆巻きにして戻します。普通の状態のグラブは、閉じる方向に力が働きます。しかし、土手部分の紐を逆巻きにするとグラブは開きやすくなり、グラブの中心にポケットを作りやすくなる効果があります。
ここからグラブをお湯に浸けていきます。グラブの革質などによって、それぞれに適した時間があり、湯の温度もグラブの状態によって様々です。これらは実際に型付けを行っている店や職人のノウハウでもあり、重要で繊細な部分です。
グラブを湯から出したら、湯を良く切った後、手揉み作業に入ります。この手揉み作業にも熟練した技術が要求されます。グラブの型を崩さない様に、揉みほぐしていきます。グラブが柔らかくなってきたら、今度はポケットを作っていきます。
先を丸く加工した棒や拳を使って、ポケットを叩きながら革を伸ばしていきます。ある程度ポケットを作ったらグラブの形を整え、乾燥作業にはいります。専用の乾燥機の中にグラブを入れて、ゆっくりと乾燥させます。
乾燥が終了したら、再度グラブに型付け作業を行います。グラブを手にはめ、ボールの形状をしたハンマーで捕球するようにポケットを叩きながら、馴染ませていきます。グラブを素手の感覚に仕上げるためには、実際にグラブをはめて手に馴染ませる事はとても重要です。最後に各指入部へ専用の棒を差し込んで、指への当たり等を調整しながら広げていきます。